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2023年現在、近年ではありえないくらい売れてるバイクが4台います。
2022年総合売り上げ
- ハンターカブ:1万7300台
- レブル250:1万501台
- GB350:1万2197台
- Z900RS:6803台
2位に大差をつけて売れ続けてる4台。普通これだけ1強状態だと、似たようなバイクを絶対に投入してくるはず。
これまでのバイクの歴史、というかバイク関係なしに、シェア奪いに行く流れは絶対生まれる、、。
なのに4台には全くいません。しかもバカ売れしてから結構時間経つのに。
なぜ「ハンターカブ、レブル250、GB350、Z900RS」のライバルが出てこないのか考察しました。
目次
バイクブームの歴史は2種類あります
バイクの歴史を振り返ると、後だしで出てくるバイクは2種類に分かれます。
- 売れてるバイクと似たコンセプト
- 売れてるバイクより性能が高いのを売りにする
この二つに分かれると思います。
これはわかりやすいですね。何か新しいジャンルが売れれば、ライバルも似たようなバイクを出す。
- アメリカンブーム
- ストリートブーム
- ビッグスクーターブーム
- ビッグネイキッドブーム
- ネオクラシックブーム
アメリカンが売れればアメリカンを出す、ネオクラシックが売れればネオクラシックを出す。
2番手3番手に席があるし、性能勝負じゃないのでライバルも積極的。
「○○(メーカー)以外買わない」
って人もいるので、求められる傾向がある。
こちらはもっとわかりやすいです。どのジャンルも盛り上がるとスペック勝負になりやすい。
特にスーパースポーツは顕著です。
- 2008:NINJA250R
- 2013:NINJA250
- 2014:YZF-R25
- 2017:CBR250RR
- 2020:ZX-25R
バイク好きはスペックの高さに歓喜する。スペック表の数値が高いと見栄えがいいですからね。
- 70~80年代:ネイキッドスポーツ競争(2スト、4スト)
- 80年代:レーサーレプリカ競争
- 90年代:公道用オフロードバイク競争(2スト、4スト)
- 90年後半:メガスポーツ競争
- 2000年代:大型スーパースポーツ競争(600、1000)
- 2010年代:スーパースポーツ、ストリートファイター
ざっくりと性能勝負の歴史を羅列しました。
とにかく新しいジャンルが花開くと、後だし程スペックいいバイクが出る傾向にあります。
なのに、この4台には似たようなバイク全然いない、なぜか?という話です。
【結論】似たようなバイク、性能を売りにしても売れないと判断されてる
この4台を見たとき、、「メーカーは似たようなバイク出しても売れないと判断してる」
これが結論です。
もしくは、、「出したいけど、1つのエンジンで派生モデルを作る流れのせいで、エンジンがない」。どちらかだと思います。
エンジンだいぶ共通化されちゃいましたからね。
個人的な印象ですが、4台に対するイメージはこんな感じ。
- ハンターカブ
カブエンジンの歴史に勝てない、というかエンジンがない。しかもオフロード性能付き - レブル250
水冷単気筒、運動性能が売りのクルーザーが売れてる。という独自性の難しさ - GB350
安さが売り、外観のクラシックさが売り?じゃあライバルはどこを攻めればいい? - Z900RS
ネオレトロスポーツはライバルも出してるけど、歴史込みの強さなんで無理。

原2クラスで売れまくってるハンターカブCT125。まずライバルは、カブエンジンに近いエンジン自体いません。
もし今が1950年代、60年代なら似たようなの大量に出たかもしれません。
今、カブエンジンを積んだ派生モデルは大量にいますが、まさか2020年代に入って、安くて便利なバイクから、レジャー用に多くの人に求められるモデルになるなんて、予想不可能でしょう。
- カブはオシャレ
- カブは便利
- カブはツーリングに向いてる
クロスカブ110の成功がハンターカブ飛躍のきっかけ。ハンターカブのような小排気量をレジャー向けに使うコンセプトは、ここ数年で花開きました。
国内では1981年3月に発売したCT250シルクロード、4月発売のTL125イーハトーブに続く「トレッキングバイク」の第3弾として、10月からCT110を発売しました。野山をトレッキングするように自然の雰囲気を楽しみながらゆったりと走行する「トレッキングバイク」というワードはホンダが初めて紹介しました。
しかし、空前のバイクブームにより、高性能化へと目が向く中、「トレッキングバイク」という新しいジャンルは時期尚早であったようで、注目を集めるまでに至らず、国内ではこれも短期間の販売でした。
What is CT?「CTとハンターカブ」|Honda|SUPER CUB FANSITE|スーパーカブファンのためのポータルサイト
大切にカブエンジンを育て続けたホンダの勝ちです。
ガソリン代が高いならバイク免許を取ろう!スーパーカブの魅力とは?【200円/L歓迎】

クルーザー、ひと昔前まではアメリカンと呼ばれてましたが、どんなバイクでしょうか?
- 空冷V型2気筒or水冷
- 大排気量エンジンサウンドが正義
- 大型のロー&ファットスタイル
- どっしりとのんびりと走るスタイル
このジャンル、デカい物こそが正義、空冷Vツインこそが正義です。
いかにデカく見せ、どっしりとした車体にするかが求められます。歴代250CCアメリカンも、定番のパッケージングに寄せてきました。
かたやレブル250、、
- 水冷単気筒スポーツエンジン
- 軽量コンパクト
- 直立姿勢
- 運動性能が売り
強みが歴代クルーザーと全く逆なんですよね、、。
しかも、単気筒エンジンもライバルは持ってません。スズキの油冷エンジン以外は、、。
ネイキッドに近い乗車姿勢のおかげ、クラシックな外観のおかげで、ネイキッド需要も奪います。
二気筒エンジンで馬力を売りにすれば勝てるか?そういう問題じゃない気がする。
乗り換えたい中型クルーザー「エリミネーター(ELIMINATOR)vsレブル(REBEL)250」を比較する

「GB350は安いから売れてる、ネオクラシックだから売れてる」
めっちゃ平凡スペックのバイクが、3000台売れれば大ヒットの排気量で1万台以上売れてる。普通400で55万円って、安かろう悪かろうって評価になります。
ライバルは「どこを強みに対抗モデルを出せばいいのか」わからない気がする。
しかもバーチカルエンジンの400CCクラスって、これもライバルは用意しにくい。
- 安いけど車検はある
- 350CCだけど20馬力しかない
- ネオクラシックだけど、コンセプトはロードスポーツ。足回りはかなり大柄。
このバイク、ユーザーが何を求めて買ってるのか、一番わかりにくい。
カワサキはW400やエストレアなら出せるかも?

カワサキには少しだけ期待できます。近年までエストレアがいたから。今のカワサキなら、いい感じに軽量ハイパワーにして出せそうです。
エストレアはメッキ全開の派手バイクなんで、割と別物ではあります。
そしてW800も売れまくってますが、過去にW400がいました。可能性あり?
ただし、W400はたった2年で生産終了したので、確率は低そう、、。

Z900RSに関しては、ライバルはたくさんいます。というか、ネオレトロスポーツの中の1台ですから。
- ホンダ:ネオスポーツカフェCB-R
- ヤマハ:レトロスポーツXSR
- スズキ:レトロスポーツカタナ
XSR900が「80年代レーサースタイル」に振り切りましたが、もう各社、Z900RSに対抗する気はない気がします。
スズキのカタナも、次モデルはもっと現代レトロスポーツに振り切るかもしれません。
Z900RSを求める人はZしか買わないでしょう。もう完全に旧車Zと同系統の扱いを受けてるので。
Z1、2からZ900RSまでのネイキッドすべてが高騰してる状態なんで、こいつは旧車です。
徹底的に過去のZに寄せたZ900RSの勝ちです。
乗り換えたいバイク「Z900RSvsXSR900(2022モデル)」を比較する
世界規模で見たら昔に寄せる意味なし?
日本では独り勝ちのZ900RSも、世界規模で売れてるかというと疑問。
クラシック感強めより、レトロスポーツ感強めのライバルが正解の可能性あります。
最近の大型二気筒の勢いを見ればわかりますが、最大市場ヨーロッパは攻めっ毛強いバイクが好まれてます。
ハンターカブ、レブル250、GB350、Z900RSは大衆車です

この4台にライバルがいないもう一つの理由「大衆車になった」から。
大衆車とは?車みたいにみんなが買うから、自分も買う。
自分も車はそうです。エンジン性能や足回りの装備なんてみません。乗り心地とかもっとわかりやすい部分を重視します。
ネット上のみんカラを見ればよく分かりますが、この4台の評価が「デザイン、乗り心地」のみしかありません。
売れてるから買う人、知名度上がりすぎて人が人を呼ぶ状態。
「お前バイクに興味あったの?」って人にも選ばれる。まさに新規に選ばれるバイク。
悪いことではないです、結局最後はデザインで選ぶべきだから。そして新規が入ってくることは良いことです。
この4台にスペック勝負する意味ありません。名前で売れてる状態なんで。
基本的にバイクって尖ってるのが当たり前です。
- エンジンが尖ってる
- 乗車姿勢が尖ってる
乗りやすいと尖らせろと言われ、尖らせまくると乗りにくい、価格高いと言われる。無限ループです。
万能バイクみたいな評価を受けたバイクって対抗モデル作りにくいです。だって滅多に万能なんて評価を受けられないから。
バイクエンジンとか、低回転型か高回転型に振り切るのが当たり前。やろうと思って万能エンジンは無理。
近年だとCB400SFも万能バイクですね。万能バイクと評価されたらロングセラー確定です。

この4台のポジションは、90年代のセロー250ポジションが一番近いかもしれません。
- 2スト、4スト性能競争で過激な公道用オフロードバイクが増えた
- まったり乗りたい勢のためにセロー250(225)の対抗モデルも多数
スーパーシェルパ、XLディグリー、、乗りやすさと馬力を売りにする - 競争が終了した後、、
結局生き残ったのは、、セロー250だけですね。勝ち目がないのは歴史が証明してるのかも、、。
ライバル候補はいます。XSR125、エリミネーター、メテオ350、CB-F
一応、ちょっとズレた場所には、少しシェア奪えそうなライバルはいます。
とは言っても、まったくコンセプトが違うバイクばかりですが。

レトロスポーツXSR125が2023年に日本導入予定ですが、悪路に強い仕様にしたXSR125レガシーが、もしかしたらライバルになるかもしれません。
強み
- 原2フルサイズスクランブラー
- 15馬力勢
- 丸目丸タンクネイキッド
- 航続距離長い
対抗モデルというか「差別化」ですね。ハンターカブは馬力が低め、そして原2にフルサイズを求める層を狙うって感じです。
オフロード性能は、、細身で低重心のハンターカブに勝てないと思います。

こちらも「差別化」戦略で勝負「カワサキのエリミネーター」。
あまりにも運動性能高さを感じさせるパッケージングに、早くも高評価。
車検ありなしで壁があるので、レブル250を脅かすかわかりませんが、レブルオーナーのステップアップ先になる性能。
強み
- 400唯一のクルーザー
- 48PS/176㎏の軽量ハイパワー系列
- 限りなくZ400に近い乗車姿勢
- ETC2.0標準
- 本体価格70万円台
エリミネーター250は可能性0じゃない?
エリミネーターは最初から400CC前提に作ったらしいです。
でもNINJA、Zエンジンということは、、250CCバージョン作れるってことです。売れまくればワンチャンあるかも。
いつでもレブル250の寝首をかくことは可能です。
編集部:今後250ccエンジンを搭載したエリミネーターが出る可能性は?
柏原:それは、いろいろお客様の声を聞きながらまた……。
目指したのは「シン・エリミネーター!?」開発陣に聞いたカワサキ新型エリミネーターの立ち位置とは(モーサイ) – Yahoo!ニュース
乗り換えたい中型クルーザー「エリミネーター(ELIMINATOR)vsレブル(REBEL)250」を比較する

インド生まれのGB350のライバルは?インドメーカー「メテオ350」です。本物のライバルバイク。
GB350が売れまくってるおかげ?日本でもそれなりに売れてたりします。
- LEDでもないクラシックバイク
- GB350Sに近い
- つやありモデル選べる
- カラー豊富。付け替え可能

Zシリーズのライバルと言えば、、CB750Fですね。
一応大型クラスでCB-Fプロジェクトはありました、、2022年に中止になったみたいですけど。残念です。
2020年代のバイク事情は隙間を埋める作業

ここ最近の傾向として、真正面からぶつからない戦略が主流です。
- SR400が終わる:GB350
- CB400SFが終わる:ZX-4R
- 400CCクルーザーがいない:エリミネーター
- 800CCにスポーツバイクがいない:GSX-8S
- 悪路走れるネイキッドがいない:CL250、CL500
- 原2フルサイズがいない:YZF-R125、MT-125、XSR125
各社、隙間を埋めるような戦略で独占状態を勝ち取りました。新型エンジンはちょっと排気量がずれてますね。
エンジン開発のコストを考えれば、隙間産業を狙うのは、、もしかしたら効率的なのかも。
ライバルが出ない最大のデメリットは「ジャンルが盛り上がらない」。
この4台、割とジャンル自体が消滅寸前だったりします。でも、この4台が悪い訳じゃない。時代の流行り廃りのせいだし文句は言えない。
- ハンターカブ
公道用オフロードバイクは1台に減る - レブル250
バルカンSが終わり、国産はボルトしかいない。相変わらずハーレーが強い - GB350
バーチカルエンジンはW800しかいない - Z900RS
ジャンル自体は新しいからむしろこれから。でも、昔の面影を残すのはカワサキくらい。
例:テールカウルがライバルは消滅。マフラー消滅気味
ハンターカブ、レブル250、GB350、Z900RSは爆売れが続く
売れまくってるバイクについて考察しました。
そうですね、この4台は放置でいいです。勝ち目なしです。大衆バイクになった時点で無理です。
- エンジンがない
- 大衆車すぎてデザイン寄せても見てくれない
- 馬力勝負しても見てくれない
- 歴史込みの強さは太刀打ちできない
2023年バイクブームのピークは過ぎたみたいなので、売り上げは落ち着いてくるとは思います。
まー、、よく考えればスペック勝負ってマニアック過ぎますよね。
バイクってデザインもバラバラ、エンジンむき出しだからわかりやすいだけで、普通デザイン買いするのが当たり前です。
それにどれもいいバイクなのは間違いないので、いい選択肢だとは思います。