
10年くらい前には大量にあった国内アメリカンバイク
特に250~400CCにも各メーカーがラインナップを充実させてた。そんな時代が懐かしくなるくらい現行アメリカンの数は少ない
何故こんなに減ってしまったのか考察していく記事です
目次
クルーザーの現行車はたった5台
- ホンダ:レブル250・500・1100
- カワサキ:バルカンS
- ヤマハ:BOLT
ホンダレブル250、500、1100

近年の250CC断トツの売り上げを誇るレブル250。
しかし「250CC唯一のアメリカンバイク」でもある
CBR250Rの単気筒エンジンを引き継いだ為、アメリカンらしからぬ力強い走行性能を見せる(26馬力)
このアメリカンのクラシックな見た目と「走行性能を犠牲にしない乗車姿勢」が見事に融合
クルーザータイプのトコトコのイメージをいい意味で壊したバイク
これだけ売れてるのに何故か他社が全く追随してこない
ライバル不在状態
レブル250はそれまでのクルーザーと違い…
「単気筒エンジンのクルーザー」という売れ方をした。
250CCと言えば二気筒エンジンが多かった
- 単気筒エンジン
- 170kg軽量
- 取り回ししやすい車体
ライバルがいない、、
他のメーカーは「新型単気筒エンジン」がない状態。投入したくても出来ない
2020年に油冷単気筒エンジンを積んだ「ジクサー250」を発売したスズキだけは可能性がある
レブル500は共通の車体、エンジンは二気筒エンジンを搭載
レブル1100も登場して独走状態

ヤマハBOLT

ヤマハが2013年に出したモデル
従来のアメリカンほどどっしりとした乗車姿勢。
ハンドルも割とネイキッドっぽい形
国産クルーザー最初の「ボバースタイル」で街中走行も考慮
60度空冷Vツインエンジンの存在感が凄い
カワサキ バルカンS

リアのナンバープレートからヘッドライトまでの曲線が美しいバルカンS
- 水冷2気筒エンジン
- メーター
- リアサスペンション
NINJA650やZ650ベースなのがよく分かるモデルとなっている
一番どっしりと乗れるバイク。
一方でバルカンSも装備的に運動性能を捨てないスタイル
2010年代はストリートファイターが人気
2010年代は新しいジャンルのストリートファイターが人気
- スーパースポーツのエンジン、フレーム
- 攻める姿勢
- 細身のスタイル
ネイキッドでもスポーツ走行を求める時代。
真逆のスタイルであるクルーザーには厳しい時代
2010年以降に出た上記5台も、軽快でスポーティーさを意識したモデルとなっている
マスの集中化と取り回しを優先したスタイル「ボバースタイル」が近年の主流。ハーレーですら「市街地走行も大丈夫」みたいな説明が増えてきてます。
アメリカンで攻めることは可能だが簡単にマフラーが擦るので、コーナリング性能は厳しいものがある。というかそういうバイクじゃない
ビッグスクーターブームの終了
2000年代前半まで続いたビッグスクーターブームの終了が、アメリカンバイクに影を落とすことになった?
2000年代はクルーザータイプの全盛期。
クルーザータイプのスクーターとアメリカンが大量にあった時代
ビッグスクーターも乗車姿勢的には完全にクルーザータイプ。
現在は高い車高と直立姿勢の「スポーツスクータータイプ」に移行
ビッグスクーターブームの終了=クルーザータイプのブーム終了とも捉えることが出来る
ブームが去り、乗る機会が無くなったことで更にアメリカン離れに拍車をかけることに
実際、00年代後半以降は国産クルーザー、ビッグスクーター共にマイナーチェンジすら無くなった
アメリカン=ハーレーというイメージ+若者のハーレー離れ

アメリカンと言えば「ハーレー」というイメージは今でも強い。日本でも海外バイクの売り上げのほとんどがハーレー
これに関してはブランドイメージが強すぎてどうにもならない
一方で日本のみならず、本国アメリカでも若者のハーレー離れが起こってるらしい
今ハーレーは、今後これまでの中高年層だけの支持では、世の中に必要とされる会社にはなれないと気づき始めています。その理由は、シェア(共有する)という価値観を持ち、「そもそも所有する必要とは何なのか?」と考える次世代の消費者である若年層は、ハーレーがアピールする「所有するかっこよさ」に疑問を抱くのは間違いないからです。
ハーレーはもう「時代遅れ」なのか? 米国でも若者のバイク離れより引用

大排気量しか作ってこなかったハーレーが750CCのミドルクラスを作ったのも若者を取り込むため
ハーレーファンの高齢化は日本でもアメリカでも起こっている
クルーザーの代名詞ハーレーでも苦心してる状態
ハーレーも変革の時期に差し掛かってる

ハーレーはいつまでもクルーザーだけにこだわり、特定の年齢層だけに刺さるバイクを作り続ける気はないのかもしれない、、
2021年発売
・電動バイク「ライブワイヤー」
・アドベンチャーバイク「パンアメリカ1250」
ひと昔前のハーレーダビットソンなら絶対やらなかったことばかり。
新たなファンを獲得する為には必要な事
果たしてうまく行くのか注目される所
アドベンチャーは長距離ツーリングのライバル

長距離を快適にという一点のみを上げるならば、、
2020年現在アドベンチャーバイクが存在している
- 長い全長
- 高い車高、ロングサスペンション
- 快適な装備を惜しみなく搭載
- オンオフ行ける
- 二気筒から4気筒SSエンジンまで行ける車体構成
特にアドベンチャーモデルが強い点は「スーパースポーツのエンジンを積んでいるのに、それを制御出来る姿勢と装備」を積んでいる点に尽きる
クルーザータイプの低重心では絶対コーナー曲がり切れないし、簡単にマフラーを擦る
全くクルーザーと正反対のバイクが人気。
でも長距離に強い部分は被ってるのは厳しい
>>ソロキャンプに向いているのはアドベンチャーバイク【おススメバイク7選】
アメリカンバイクの魅力はエンジン音も含まれるので完全に被ってる訳ではない
ヨーロッパで下火

大型バイクの中心はヨーロッパ。
日本のメーカーもまずヨーロッパで発表してから日本にやってくる
そのヨーロッパでクルーザーは完全に下火
- トライアンフ「ボンネビルボバー」
- BMW「R-18」
この地域、、
スクーターにもスポーツ走行を求めるくらい運動性能高い物を求める
流行の発信地で勢いがないのは厳しい
クルーザーが無くなると一番困るのは女性

アメリカンバイクは意外と女性の支持が高い
流石にハーレー女子は少ないが、国内中型アメリカン乗りの女性は通勤用途で乗ってる人を何人も見てきた
消極的な理由も含まれるけど、低いシート高からくる圧倒的な足つきの良さは女性に向いてる
完全に国内アメリカンが途切れることはないと思うが、、
飛びぬけてヒットしてるのにライバル車が出てこない辺り、、
アメリカンは大きな市場ではないと判断してると思う
オフロードバイクと同じようにしばらく苦難の時代が続きそう…
身長と非力さから、片足でどうにかなる男性的価値観を共有するのは難しい

