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ヨーロッパメーカーの作るバイクの、代表的なジャンルの一つに「スクランブラー」がある。
大型ネオレトロスポーツ(ヘリテージ)をベースに、「ブロックタイヤやサスペンション、マフラー位置などを」オフロード向けにしたモデル。
ネオレトロスポーツらしさとダートも行ける万能性が売り。
でも日本メーカーは全く作らないジャンル。何故なのかを考察していく記事。
そもそもこれからのジャンルがスクランブラー
スクランブラーは、確かに日本ではラインナップがない状態。だけどそもそも、ネオクラシックの派生モデルという新しいジャンル。
まだまだ、これからのジャンルなので、考察通りになるとは思えないというのが前提。
- 昔
オフロードバイクエンジンベース・低排気量 - 今
大排気量空冷エンジン、水冷エンジンベース
スクランブラーもキャンプに強いバイクです。悪路に強い仕様の時点で、本来なら候補に挙がる。
マフラーかち上げのせいで、他のジャンルほど積載性には優れてないのは問題だけど、レトロシートはフラットではあるので、バランスはとりやすい。
- 公道用オフロードバイク
- ミドルクラスオフロードアドベンチャー
- スクランブラー
【追記】2023年ついにホンダ、CL250、CL500が登場!
長すぎる沈黙を破って、国産メーカーからスクランブラーが出ます。
レブルの車体をベースにした「CL250、CL500」。スクランブラーらしい変更を加えたオンオフ系バイクです。
- アップハンドル化+クラシック感漂うシート+かちあげマフラー
- セミブロックタイヤ+フォークブーツ
- バカ売れする条件「丸目+丸タンク」を満たす
ネイキッド需要で、レブル買ってる人は、こちらに行く可能性あり(250CCに丸目丸タンクネイキッドがいない)。
スクランブラーはダート向け
スクランブラーに照らし合わせて、日本の地理と、道路の特徴を上げるとこうなる。
- 道が舗装されてる
- 山が多い。かつ急
- オンロード系が特に人気
日本の土地は「新期造山帯」という特徴がある。
プレートの収束型境界に位置し、地震・火山活動が活発であるところが多い。山脈は新しい時代に形成されたため浸食を受け続けた期間が短く、急峻な山地や弧状列島をなし、日本列島やアルプス山脈などが主な例として挙げられる。
Wikipediaより
つまり、日本の道路環境は、、
ほとんどの道が舗装されてて、山は多いが、急斜面がほとんど。そしてフルカウルやストリートファイターなどのオンロード特化が人気。
スクランブラーの「オンロード、たまにダートも行ける」使い方は、日本には適していない。
オフロードの代わりになるには日本の山は急すぎるし、大型ベースのスクランブラーは重すぎる。平地はほとんど舗装されてるのでダート用途として使う機会も少ない
スクランブラーは大排気量空冷エンジンが主流
拍車をかけて日本で広がる気配がない理由、1000CC以上が主流。
- トライアンフ
スクランブラー900/1200 - DUCATI
スクランブラー1100 - BMW
RnineTスクランブラー(1200) - インディアン
FTR1200
こんなデカくて、重いバイクで日本の林道は無理。突っ込む人はいない訳ではない。
2023年|国内で買える現行オフロードバイク+スクランブラー
実はヤマハがスクランブラーを作ってる(作ってた)
日本のメーカーでも、実はヤマハはスクランブラーを作ってたりする。そして日本に発売もしていた
SCR950
2017年から2019年まで生産。
アメリカンバイク「BOLT」の派生モデル。スクランブラーモデルとして、日本でも発売していたが、大して話題にもならずに生産終了、、。
この失敗が尾を引いてる可能性もある。
そして、日本では未発売だけど、もう一つスクランブラーモデルがある
XSR700トリビュート
MT-07の派生モデル、XSR700のスクランブラーモデル。
XSR700より更にフラットシート、強化されたフロントサスペンション。思いっきり上に上げられたマフラー、そしてオフも行けるブロックタイヤ
残念ながら日本で発売される気配なし。SCR950が対して、話題にならずに生産終了してしまった時点で、可能性はかなり低くなった。
【追記】今はXSR-レガシー
今は名前が変わってレガシーシリーズとして、ヨーロッパで売ってます。更にヘリテージスタイルが強化されてます。
- XSR125 Legacy
- XSR700 Legacy
ホンダのCLシリーズが、日本で上手くいけば、もしかしたら導入されるかも。
小排気量スクランブラーはあった→ストリートバイク
日本にもオンオフ系バイクが大量にいた時代がありました。もう20年前の話です、知ってる人すら減ってくる時代の流れ。
きっかけはドラマから
2000年前半のストリート系ブームは、ドラマから始まった。
キムタクがドラマの中で「TW225」に乗ったのがきっかけ、一気にストリートブームに。TW225は元々ぱっといかず生産終了予定だったのだが、キムタクきっかけで大ヒット。
そして、各社対抗モデルを出して、ストリート系と呼ばれるモデルが大量に生まれた。
FTR、グラストラッカー、250TR…
あくまで一時的なブーム
市街地走行と、飾る用途の「ファッション性」がウケた要因。
しかし、全期間で見るとモデルチェンジなどもなく、2010年代にはすべて消えてしまった。
ネオクラシックとして復活させれば、スクランブラーとして人気が出るかもしれない。
一方、バイクの流行り廃りと全く関係のない「ドラマ発のブーム」で売れたジャンル。復活させても、当時のブームに乗っかかってた人達に刺さるかは不明。
YOUTUBE上でも、ストリート系で林道に行く動画などがあるので、ポテンシャルは高いとは思うが、それならやはりオフロードバイクで充分とも言える。
一応中型スクランブラーは存在する
海外メーカーにはなるけど、ハスクバーナが250CCと400CCクラスにスクランブラーを出している。
250、400CC単気筒エンジン積んだ、中型スクランブラーモデル「スヴァルトピレン」。
- ネオレトロスタイル
- カフェレーサーベース
- 悪路に強い足回り
- 軽量ハイパワーな単気筒エンジン
- 足回り自慢
日本でもスヴァルトピレン401は人気高い。
【追記】ハンターカブ、ADV160が人気で勝機が見えてきた
現在、ハンターカブとADV160が大人気。ちょっとだけスクランブラーっぽいのは広がってきました。
コロナ以降の、レジャーブームがかなり貢献してます。
- ハンターカブ:スーパーカブに悪路に強い足回り
- ADV160:PCXに悪路に強い足回り
今売れてるバイクって、、スクランブラーですね、、、。
昔なら「ストローク量が足りない」とか絶対言われただろうパッケージング。
結局、軽くて足が届くバイクが万能ってことです。オフ車ではなく、小型バイクに勝機がありました。
似たような強みを持つアドベンチャーが強い
オンロードたまにオフロード(ダート)という使い方なら、ライバルがアドベンチャーになる。そして現在強すぎるジャンル。
しかも、2022年以降世界中のメーカーがミドルクラスオフアドベンチャーに注力中。
日本の中では用途が被りすぎて、スクランブラーが存在感を発揮できるビジョンが見えない。
あるとしたら、ネオレトロブームの先にスクランブラーモデルが望まれるようになるとか。
【まとめ】スクランブラーがメジャーになるのは難しい?
正直、用途がアドベンチャーと被りすぎてるので厳しいかな、という印象。デザイン的には全然違う訳だけど、別にアドベンチャーがダサい訳でもない。
あえてスクランブラーじゃなくていいって印象。
もう少しネオレトロブームが成熟すれば、スクランブラーという派生モデルをユーザーが望むかもしれない。
特に中型ネオクラシックがほとんどない状態なので、中型市場が大きくなれば、スクランブラーの入る余地が出てくるはず。
とはいえ、とりあえずCL250,500が登場したので、希望の光は見えました。
乗り換えたい国産スクランブラー「CL250vsCL500」を比較する