最近のバイクニュース(Z1100だのCB1000Fだの)を見て浮かれている皆さんに、冷や水を浴びせるような一冊が登場しました。1月23日発売の「図解入門 よくわかる最新バイクの基本と仕組み」第5版です。
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「クイックシフター最高!」とか言いつつ、仕組みを説明できますか?
最新バイクの電子制御に頼り切りで、エンジンの吸排気すら怪しいリターンライダーやビギナーにとって、この本はまさに「バイブル」という名の「試験問題」です。
- 第5版の凄み: 2010年から続くロングセラーの最新版。今回からはついに「第11章 電動バイク」が追加。ガソリンの匂いがしないバイクについても、嫌々ながら(?)学ばなければならない時代の到来です。
- 著者・青木タカオ氏: ハーレー編集長も務める「等身大のライダー」とのこと。つまり、専門用語でマウントを取ってくるタイプではなく、我々のような凡人にも分かる言葉で噛み砕いてくれる、数少ない良心的なプロです。
この本を「今」読むべき皮肉な理由
- 新型車選びの武装: 「KCMF」だの「VVA」だの、メーカーが勝手に作った横文字に騙されないための知識が手に入ります。
- メンテナンス費用の節約: 仕組みが分かれば、ショップの言いなりになって「不要な整備」に金を払うことも減るでしょう。タナックスのバッグ代くらいは浮くかもしれません。
- マウント回避: カフェで隣に座った「詳しいおじさん」の自慢話に、適当な相槌ではなく、鋭いツッコミを入れられるようになります。
【回顧】「図解入門 第4版」が教えてくれた、あの頃の常識
第4版が発売された当時は、まだ「バイク=エンジンが主役」という価値観が絶対的でした。
- 「ユーロ5」との戦いの記録: 当時、厳しくなり始めた排ガス規制に対して、メーカーがいかに苦労して「パワーを落とさずに空気を綺麗にするか」という涙ぐましい努力が解説のメインでした。
- 電子制御の「黎明期から普及期」へ: 「IMU(慣性計測装置)」がようやく高級車以外にも降りてきた頃です。「カーブでブレーキをかけても転ばないなんて魔法か?」と驚いていたピュアなライダーたちに、その種明かしをしていたのがこの版でした。
- 3気筒エンジンの再評価: MT-09などのヒットを受けて、4気筒でも2気筒でもない「いいとこ取り」の3気筒エンジンの仕組みが詳しく語られていましたね。
第4版から第5版で「捨てられたもの」と「得たもの」
第4版を読んだ人が第5版を見ると、その「時代の断絶」に愕然とするはずです。
- 「音と振動」から「静寂」へ: 第4版では「いかに官能的な排気音を作るか」という吸排気理論が熱かったですが、第5版では「モーターとバッテリー」の静かな世界が割り込んできました。
- スマホ連携の常識化: 第4版では「メーターにナビが出たら便利だね」くらいの夢物語だったものが、第5版では「繋がって当たり前」の前提で解説されています。
- 内燃機関への「遺言」: 第4版はガソリンエンジンを「これからの主役」として扱っていましたが、第5版ではどこか「絶滅危惧種の保護マニュアル」のような、切ない雰囲気を感じるかもしれません。
まとめ
2,640円……。サイドバッグの数十分の一の価格で、一生モノの知識が手に入る。実にコストパフォーマンスのいい買い物ですが、バイク乗りは往々にして、こういう「地味に役立つ本」より「派手な外装パーツ」に金を注ぎ込む生き物ですよね。
さて、この本を読んで賢いライダーを目指しますか? それとも、何も知らないままアクセルを全開にして「なんか凄い!」と叫び続けますか?
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