
2022年、空前のバイクブーム。Z900RSは手に入らず、旧車のZシリーズやゼファーが数百万単位で取引される異常事態の中、ホンダは全く異なるアプローチを見せました。
HAWK 11の「こだわり」と市場のリアル
| HAWK 11のここが異質! | ベテランに刺さる理由 | 市場のシビアな現実 |
| FRP製ロケットカウル | 金型成形では不可能な美しい曲線 | 転倒時の交換費用は数十万円!? |
| あえての「最低限」な電脳 | 自分の手で操る「ダイレクト感」 | 「最新=全部盛り」を求める層には不評 |
| 専用設計のスポーツ姿勢 | 長年乗り継いだ者だけが解る一体感 | 「Zブーム」の陰に隠れてしまった |
| 1100cc 2気筒エンジン | 粘り強く、味わい深い鼓動感 | 4気筒の咆哮を求める層とは合致せず |
主要スペック:数値では測れない「上質さ」

アフリカツイン譲りの定評ある1100ccエンジンを、全く異なるキャラクターへと昇華させています。
| 項目 | スペック | 解説 |
| エンジン | 水冷4スト直列2気筒 OHC 4バルブ | 2気筒ならではの力強い蹴り出しと鼓動。 |
| 最高出力 | 102PS / 7,500rpm | 振り回せる楽しさを追求したパワー。 |
| 最大トルク | 10.6kgf・m / 6,250rpm | どこからでも加速する厚いトルク。 |
| 車両重量 | 214kg | 大型としては軽量。軽快なハンドリングを実現。 |
| フロントカウル | FRP製(ハンドレイアップ) | バイクでは極めて稀な高級素材を採用。 |
| 足回り | 倒立フォーク / ラジアルマウント | 妥協のないスポーツ走行性能。 |
1. 「職人技」が宿るロケットカウル

HAWK 11の象徴であるロケットカウルには、通常のプラスチックではなく、レーシングマシンや高級車に使われるFRP(繊維強化プラスチック)が使われています。
大量生産に向かないこの素材をあえて選んだのは、金属のような「質感」と、複雑で妖艶な「ライン」を表現するため。コクピットから眺める景色は、他のバイクでは味わえない圧倒的な気品に満ちています。
2. 「ネオクラシックブーム」ではなく「Zブーム」だった誤算
2022年当時、世の中は空前の「レトロスポーツ」ブーム。しかし、蓋を開けてみればそれは「カワサキのZ」に対する熱狂でした。
「高性能で扱いやすい」ホンダの流儀で作られたHAWK 11は、懐古主義に走る市場の中で、少し「真面目すぎた」のかもしれません。しかし、だからこそ流行に左右されない、本物志向のベテランライダーたちからは絶大な信頼を得ることとなりました。
3. 今こそ評価されるべき「純粋な操縦性」

電子制御が介入しすぎる現代のバイクに対し、HAWK 11はあえてライダーの入力を優先するセッティングになっています。
「バイクを操っているのは自分だ」という実感。
かつて多くの名車を乗り継いできたベテランが、最後に行き着く「上がりの一台」としての風格がここにはあります。
結論:HAWK 11は「時を超えて輝く」名車になる
初動の計画台数には届かなかったという噂もありますが、それはこのバイクが「大衆向け」ではないことの裏返し。
- Zブームの狂騒から離れたい
- FRPカウルの美しい曲線に惚れた
- 自分の腕で1100ccを御したい
そんなライダーにとって、HAWK 11は至高の相棒です。円安が進む前の絶妙な価格設定(139.7万円)で世に出たこの「高級素材の塊」は、今後さらに希少価値を高めていくでしょう。
バイクを売るなら「バイク王」が一番信頼できる。悪い評価も利用者の多さと信頼の証

