ホンダの新型電動バイク「CUV e・カブイー」は買い?新原付じゃ乗れないEVの魅力と注意点

「カブ」の名を冠した、ホンダの新型電動バイク「CUV e・カブイー」が話題になっています。

「電動のカブって、あのスーパーカブのこと?」と思うかもしれませんが、実はただの電動スクーターではありません。その性能や位置づけは、これまでの電動バイクの常識を覆すほど。

今回は、CUV e:の魅力や、知っておくべき注意点を徹底的に解説します!

新原付免許じゃ乗れない!「原付二種」の電動カブ

25YM Honda CUV e:

まず、CUV e:の最大のポイントは、原付二種(第二種原動機付自転車)であるということ。

最近話題の、出力4kW以下の車両に乗れる「新・原付免許」では運転できません。CUV e:に乗るには、従来通り普通自動二輪免許(AT小型限定以上)が必要です。

  • CUV e:は「電動のカブっぽいバイク」
  • EM1 e:は「原付一種の電動バイク」

このように、CUV e:とEM1 e:は、区分もターゲット層もまったく異なるバイクなのです。CUV e:は二人乗りも可能で、街中をクリーンに移動できる、大人向けの通勤バイクという位置づけです。

気になる価格は、バッテリー2個と充電器2個込みで528,000円。本体価格よりもバッテリーや充電器のコストが高いのは、EVバイクならではの特徴です。

見た目とは裏腹!125ccクラスに匹敵する「本気の」性能

25YM Honda CUV e:

CUV e:は、単なる「静かなスクーター」ではありません。そのスペックは、ガソリンエンジンの125ccクラスに匹敵するほど。

  • 最高出力6.0kW(約8.2馬力): これは125ccの空冷エンジン並のパワー。電動ならではの滑らかな加速感で、通勤時のストレスを軽減します。
  • 250cc並の強力なトルク: 最大トルク22N・mをわずか2,300回転で発生。スロットルを開けた瞬間に力強く加速するEV特有のトルクフルな走りが楽しめます。

さらに、CUV e:には「スタンダード」「スポーツ」「エコ」の3つの走行モードが用意されており、シーンに合わせて走りの特性を切り替えられます。特に「スポーツモード」では、CUV e:の本気性能を体感できるでしょう。

また、スクーターでは珍しいリバースモードも搭載。狭い駐輪場や坂道での取り回しが格段に楽になります。

メーターがすごい!「未来感」あふれる装備

25YM Honda CUV e:

CUV e:で最も未来を感じさせるのが、メーター周りの装備です。

なんと、原付二種では異例の7インチフルカラーTFT液晶メーターを搭載。これは大型アドベンチャーバイクに匹敵するレベルです。

  • Honda RoadSync Duo®に対応: スマホと連携すれば、メーターにナビの地図を表示したり、音楽再生やハンズフリー通話も可能になります。
  • GPS連動の自動時刻補正: 時刻が自動で修正されるので、いちいち時計を合わせる手間がありません。
  • バッテリー残量と連動したナビ: バッテリーが少なくなると、交換ステーションを経由するルートを案内してくれる機能も備えています。

この充実した装備は、価格が高い理由にも納得がいくほどです。

EM1eとの比較表

EM1 e: vs CUV e: スペック徹底比較表

まずは、両者のスペックを分かりやすく比較した表を見てみましょう。

項目CUV e:(カブイー)EM1 e:(イーエムワンイー)
区分原付二種(51cc~)原付一種(~50cc)
必要な免許普通自動二輪免許<br>(AT小型限定以上)原付免許
最高出力6.0 kW1.7 kW
最大トルク22 N・m90 N・m
航続距離57 km<br>(60km/h定地走行テスト値)53 km<br>(30km/h定地走行テスト値)
バッテリーHonda Mobile Power Pack e: 2個Honda Mobile Power Pack e: 1個
車両重量120 kg92 kg
乗車定員2人1人
フルセット価格528,000円299,200円

※数値は公表されているものに基づきます。最大トルクはモーターの特性上、発生回転数が異なるため一概には比較できませんが、数値の差は両者の性格の違いを表しています。

CUV e:のデメリットと注意点

高性能なCUV e:ですが、EVバイクならではの弱点もあります。

  1. 価格の高さ: フルセットで約52万円は、一般的な原付二種と比べると高価です。特にバッテリーコストが全体の価格を押し上げています。
  2. 収納スペースがほぼゼロ: シート下のスペースはバッテリー2個で埋まってしまうため、ヘルメットや荷物を入れるメットイン機能はありません。リアボックスの設置がほぼ必須となります。
  3. 航続距離が短い: 航続距離は57km(定地走行テスト値)とされており、実用では40~50km程度になると予想されます。近所の通勤・買い物には十分ですが、ロングツーリングには不向きです。

まとめ:CUV e:はどんなライダーに合う?

CUV e:は「高価な通勤EVスクーター」と割り切れば、非常に魅力的な選択肢です。

  • 静かでクリーンなバイクで通勤したい
  • 高性能な装備を求める
  • 近距離での利用がメイン
  • 初期費用を払ってでも維持費を抑えたい

もしあなたがこのようなライダーであれば、CUV e:は新しいバイクライフの扉を開いてくれるかもしれません。ぜひ一度、その未来感を体感してみてはいかがでしょうか。