
「カブ」の名を冠した、ホンダの新型電動バイク「CUV e・カブイー」が話題になっています。
「電動のカブって、あのスーパーカブのこと?」と思うかもしれませんが、実はただの電動スクーターではありません。その性能や位置づけは、これまでの電動バイクの常識を覆すほど。
今回は、CUV e:の魅力や、知っておくべき注意点を徹底的に解説します!
新原付免許じゃ乗れない!「原付二種」の電動カブ

まず、CUV e:の最大のポイントは、原付二種(第二種原動機付自転車)であるということ。
最近話題の、出力4kW以下の車両に乗れる「新・原付免許」では運転できません。CUV e:に乗るには、従来通り普通自動二輪免許(AT小型限定以上)が必要です。
- CUV e:は「電動のカブっぽいバイク」
- EM1 e:は「原付一種の電動バイク」
このように、CUV e:とEM1 e:は、区分もターゲット層もまったく異なるバイクなのです。CUV e:は二人乗りも可能で、街中をクリーンに移動できる、大人向けの通勤バイクという位置づけです。
気になる価格は、バッテリー2個と充電器2個込みで528,000円。本体価格よりもバッテリーや充電器のコストが高いのは、EVバイクならではの特徴です。
見た目とは裏腹!125ccクラスに匹敵する「本気の」性能

CUV e:は、単なる「静かなスクーター」ではありません。そのスペックは、ガソリンエンジンの125ccクラスに匹敵するほど。
- 最高出力6.0kW(約8.2馬力): これは125ccの空冷エンジン並のパワー。電動ならではの滑らかな加速感で、通勤時のストレスを軽減します。
- 250cc並の強力なトルク: 最大トルク22N・mをわずか2,300回転で発生。スロットルを開けた瞬間に力強く加速するEV特有のトルクフルな走りが楽しめます。
さらに、CUV e:には「スタンダード」「スポーツ」「エコ」の3つの走行モードが用意されており、シーンに合わせて走りの特性を切り替えられます。特に「スポーツモード」では、CUV e:の本気性能を体感できるでしょう。
また、スクーターでは珍しいリバースモードも搭載。狭い駐輪場や坂道での取り回しが格段に楽になります。
メーターがすごい!「未来感」あふれる装備

CUV e:で最も未来を感じさせるのが、メーター周りの装備です。
なんと、原付二種では異例の7インチフルカラーTFT液晶メーターを搭載。これは大型アドベンチャーバイクに匹敵するレベルです。
- Honda RoadSync Duo®に対応: スマホと連携すれば、メーターにナビの地図を表示したり、音楽再生やハンズフリー通話も可能になります。
- GPS連動の自動時刻補正: 時刻が自動で修正されるので、いちいち時計を合わせる手間がありません。
- バッテリー残量と連動したナビ: バッテリーが少なくなると、交換ステーションを経由するルートを案内してくれる機能も備えています。
この充実した装備は、価格が高い理由にも納得がいくほどです。
EM1eとの比較表
EM1 e: vs CUV e: スペック徹底比較表
まずは、両者のスペックを分かりやすく比較した表を見てみましょう。
項目 | CUV e:(カブイー) | EM1 e:(イーエムワンイー) |
区分 | 原付二種(51cc~) | 原付一種(~50cc) |
必要な免許 | 普通自動二輪免許<br>(AT小型限定以上) | 原付免許 |
最高出力 | 6.0 kW | 1.7 kW |
最大トルク | 22 N・m | 90 N・m |
航続距離 | 57 km<br>(60km/h定地走行テスト値) | 53 km<br>(30km/h定地走行テスト値) |
バッテリー | Honda Mobile Power Pack e: 2個 | Honda Mobile Power Pack e: 1個 |
車両重量 | 120 kg | 92 kg |
乗車定員 | 2人 | 1人 |
フルセット価格 | 528,000円 | 299,200円 |
※数値は公表されているものに基づきます。最大トルクはモーターの特性上、発生回転数が異なるため一概には比較できませんが、数値の差は両者の性格の違いを表しています。
CUV e:のデメリットと注意点
高性能なCUV e:ですが、EVバイクならではの弱点もあります。
- 価格の高さ: フルセットで約52万円は、一般的な原付二種と比べると高価です。特にバッテリーコストが全体の価格を押し上げています。
- 収納スペースがほぼゼロ: シート下のスペースはバッテリー2個で埋まってしまうため、ヘルメットや荷物を入れるメットイン機能はありません。リアボックスの設置がほぼ必須となります。
- 航続距離が短い: 航続距離は57km(定地走行テスト値)とされており、実用では40~50km程度になると予想されます。近所の通勤・買い物には十分ですが、ロングツーリングには不向きです。
まとめ:CUV e:はどんなライダーに合う?
CUV e:は「高価な通勤EVスクーター」と割り切れば、非常に魅力的な選択肢です。
- 静かでクリーンなバイクで通勤したい
- 高性能な装備を求める
- 近距離での利用がメイン
- 初期費用を払ってでも維持費を抑えたい
もしあなたがこのようなライダーであれば、CUV e:は新しいバイクライフの扉を開いてくれるかもしれません。ぜひ一度、その未来感を体感してみてはいかがでしょうか。