
2020年に復活した「ハンターカブ」。
発売直後から社会現象のようにヒットし、原付二種という庶民的カテゴリーの中で、中古価格が新車を超えるという異常事態まで起こした。
あれからもう数年。さすがにブームも落ち着いた…と思いきや、いまだに熱は衰えていない。むしろカスタム界隈では、令和最強のベース車として存在感を増している。
ハンターカブの魅力は、スーパーカブ譲りの「気軽さ」に加え、林道やキャンプなどちょっと冒険できる走破性。街も山も似合う万能バイクとして、いまや「とりあえず迷ったらコレ」と言われるほどの立場を確立した。しかも、2024年モデルではフレーム補強や剛性アップなど、着実な進化も続いている。
そして何より面白いのが、本体価格に負けない高額パーツが今も続々登場していること。
車体価格47万3,000円に対し、10万円近い高性能パーツが普通に出る。125ccの世界で異例。多くの人が「気軽に遊べる原付二種」という枠を超え、ハンターカブを本気の趣味車として扱っている。
ただ、そのカスタム文化はグロムやモンキーとは方向性が違う。見た目重視のドレスアップではなく、悪路対応・快適性向上・装備強化といった実戦仕様が中心。
高強度ガード、ツーリングラック、スキッドプレートなど、もはやアドベンチャーバイク顔負けのラインナップ。
この「実用カスタム」がウケている理由はシンプルで、いじるほど使えるから。
原付二種の維持費で、趣味バイクの世界をとことん楽しめる。数千円の小物から10万円級の本格パーツまで、どんな層も受け入れる懐の深さがハンターカブ最大の強みだ。
一つ目:18段調整式「サーキットバイク級」ステアリングダンパーがCT125に!?

ハンターカブのカスタム、ついにここまで来た。
なんと「18段調整可能」という、まるでサーキットバイクのようなステアリングダンパーが登場している。
ハンターカブは悪路に強いとはいえ、サスペンションのストローク量はわずか110mm。荷物を積んで林道へ行くには、もう少し安定感がほしい、、そんなニーズに応えるのがこのパーツ。
ダンパーを調整することで、走行中のハンドルの動きを抑え、オンロードではキビキビ、オフロードではしなやかに。まさに走りの性格を切り替えるアイテム。
18段という細かさはあのオーリンズ級。しかもデザインもスポーツバイク風で、ハンターカブに装着するとギャップの妙がたまらない。

ちなみに、ハンターカブ用には前後オーリンズ製サスペンション(約15万9000円)も存在する。
原付二種とは思えない極上の足まわりが実現可能。
本体価格40万円台のバイクにここまで求める人たち──それがハンターカブ沼。
「フルサイズのオフ車買えよ」と言われても、小回りや取り回しのしやすさを失いたくない。
そう思わせる魅力が、この1台にはある。
二つ目:アクティブ製「ラウンドオイルクーラーキット」で冷却強化!夏のCT125対策に

次に紹介したいのが、アクティブの「ラウンドオイルクーラーキット」。
CT125のエンジン冷却性能を高め、油温を一定に保つためのカスタム。
純正でも十分扱いやすいハンターカブだが、夏場の渋滞や長距離ツーリング、林道アタックでは油温上昇を気にするオーナーも多いという。
オイルクーラーを後付けする発想は、一般的な125cc空冷エンジンではかなり珍しい。
しかしこれにより、エンジンのコンディション維持・寿命延長・安定したパワー発揮が期待できる。
まさに本気で走るハンターカブ向けのパーツ。

さらに、反対側には「パフォーマンスダンパー」も装着可能。
エンジン付近の剛性を最適化し、振動を吸収することで長距離でも疲れにくくなる。
最近では車にも採用が広がっている機能だ。
外付けクーラーとダンパーを両方装着したハンターカブ、、
もはや原付二種の皮をかぶったアドベンチャーバイク。
このカスタム沼、底が見えない。
三つ目:軽量化の沼へ──ハンターカブを変える「ホイール交換」


ハンターカブのカスタムで、もっとも体感しやすいのがホイールの軽量化。
走り出しの軽さ、コーナリングのキレ、そしてブレーキ時の安定感まで変わる。
だからこそ、こだわり始めると抜け出せない、、いわばカスタム沼の深層。
そんな中、注目なのが「タイプクロス」ホイール。
わずか0.3kgの軽量化ながら、ハンドリングの違いを感じられる仕上がり。
価格は前後セットで約20万円と、125ccバイクとは思えない本格派。
スポークホイールからキャストへ替えることで、剛性が上がり、走りもよりスポーティに。
「125でホイール交換!?」と思うかもしれないが、
そこに価値を見いだすのがハンターカブ乗りのロマン。
マルケジーニ級の世界観が、ここにもある。
四つ目:静かに走る戦闘バイク──「機械曲Tacticalサイクロン」

ハンターカブの世界には戦場を思わせるようなカスタムパーツも存在する。
それが「機械曲Tacticalサイクロン」。
名前からしてすでにミリタリー。
中回転域からの伸びを重視した設計で、実用域での加速が力強く、
それでいて静粛性を高めた忍び寄るサイレンサーだ。
タクティカル=実戦仕様という名の通り、静かさこそが武器。

このパーツ、なんとハンターカブ専用設計。
検索しても他車種には存在しない唯一無二のマフラー。
価格は約12万円──本体の約4分の1。
それでも「欲しい」と思わせるのが、ハンターカブの魔力。
静かに走る戦うカブ、まさにタクティカル・スピリット。
5つ目:ハンターカブを戦闘仕様に仕上げる、別体タンクサスペンションの世界

ハンターカブのカスタム沼、その中でも特に通好みなのがリアサスペンション。
今回紹介するのは、ハイパープロの「ホース付き別体タンク仕様リアショック」。
柔らかく衝撃を吸収しつつ、高負荷時にはしっかり踏ん張る、、いわば二段構えの高性能サスだ。
驚くのはその構造。サスペンションに付くタンクを車体内部に収める専用設計。
後方から見たときの仕上がりはまさに戦闘モード。
ハンターカブ特有のミリタリースタイルにぴったりハマる。
価格は約25万円。左右で装着すれば本体価格を超える衝撃吸収パーツ。
それでも挑戦したくなるのは、ハンターカブというバイクが
「原付2種の皮をかぶったプレミアムバイク」だから。
しかも、オーリンズやブレンボまで用意されているという異常な充実ぶり。
普通、125ccでそんなカスタムはオーバースペックだ。
でも、ハンターカブだけは違う。
人気車ゆえに、カスタムの世界が無限に広がっている。
不人気車にない夢が、ここにはある。
カスタム沼の最強の主役はハンターカブ。
ここで紹介したのは、どれもこの1年で登場した最新のハンターカブ用パーツ。
登場当初はもっとシンプルで、原付2種らしい控えめなカスタムが中心だった。
マフラーが豊富なくらいで、ここまで高級志向ではなかった。
ところが今では、オーリンズ、ハイパープロ、ブレンボなど、
大型スポーツバイク顔負けの高級パーツがずらり。
つまり、流通台数が多く、カスタム市場に勝機があるということ。
それだけ売れるバイクだからこそ、メーカーも全力でパーツを投入している。
ここまで来ると、日常使いするのが少し怖いほどの完成度。
でも、原付2種という手軽さが、カスタム沼をさらに深くする。
燃費は50km/Lを超え、税金も安く、置き場にも困らない。
だからこそ、「いくらでもカスタムにつぎ込める」自由がある。
気づけば、グロムで始まったカスタム文化はハンターカブへ。
もはや令和のカスタム王といってもいい。
オーナーの声も熱い。
「燃費は50km/L後半、街乗りもツーリングも快適」
「軽くて荷物が積めて、人と被らない」
──トコトコ走る相棒、それがハンターカブ。
いじる楽しみ、走る喜び、その両方を味わえる唯一の原付2種です。
ミラーにもこだわりを

