
大型バイクの価格高騰が止まらない2025年現在。100万円前後で買える4気筒バイクが絶滅危惧種となる中で、ホンダのCB650Rが改めて脚光を浴びています。
2024年のモデルチェンジで手に入れた「新世代の操作感」と、変わらぬ「メカニカルアート」の美しさ。なぜこのバイクが、ミドルクラス4気筒のカオスな市場でベストセラーであり続けるのか、その理由を探ります。
1. 最大の目玉「Honda E-Clutch」がもたらす革新
今回のモデルチェンジで世界初採用されたEクラッチ。これは「MTの楽しさ」と「ATの楽さ」を両立した、バイク界の革命と言っても過言ではありません。
| 悩み | Eクラッチによる解決 |
| 都会の渋滞で左手が疲れる | 発進・停止・変速までクラッチレバー操作が一切不要。握らなくてもエンストしません。 |
| クイックシフターはギクシャクする | 電子制御による超高速かつスムーズな半クラッチ操作で、ショックのない変速を実現。 |
| たまには自分で操作したい | クラッチレバーは物理的に残っているため、いつでもライダーの意志で介入可能。 |
「停止すると勝手にニュートラルに戻る感覚」は、一度慣れると普通のバイクに戻るのが怖くなるほどの快適さです。
2. 大型4気筒なのに「レギュラーガソリン仕様」の衝撃

維持費の面でもCB650Rは群を抜いています。
- 貴重なレギュラー仕様: ハイオク指定が当たり前の大型4気筒界において、お財布に優しいレギュラー仕様。
- 驚異の燃費性能: 丁寧に走れば4気筒ながらリッター30km近く走るという報告も。
- 低速トルク重視の設計: どこまでも回すZX-4Rに対し、CBは街乗りや峠で扱いやすい「常用域の力強さ」にこだわっています。これぞホンダ伝統の「フラットトルク」です。
3. 「ネオスポーツカフェ」からよりスポーティーへ

デザイン面では、2024年モデルから従来の丸目ライトが「ティアドロップ型LED」に変更されました。
- 進化したスタイル: クラシックな美学「メカニカルアート」を継承しつつ、より低く、より鋭い印象に。
- マスの集中化: 4本の美しいエキゾーストパイプが見せる機能美。見た目以上にコンパクトで、跨ると400ccクラスのような軽快なハンドリングを体感できます。
4. 2025年、激化する4気筒マーケットでの立ち位置
今後、CB400(スーフォア)の復活やCB1000Fの登場が噂される中、CB650Rの役割はより明確になっています。
- 価格: 100万〜110万円台という、大型4気筒として「絶妙に手が届く」ラインを維持。
- 性能: 80馬力超のパワーと最新のEクラッチ装備。
- 希少性: 2気筒勢が主流のミドルクラスにおいて、官能的な4気筒サウンドを楽しめる貴重な存在。
まさに、「迷ったらこれを選べば間違いない」という中間ポジションを完全に確立しています。
5. オーナーレビュー:実際に乗ってわかったこと
「Eクラッチは偉大。慣れるとギアの上げ下げだけに集中できるので、タイトなカーブも攻めやすい。渋滞も楽勝です。」
「4気筒のパワーは凄まじく、回せばあっという間に加速する。ただ、高回転での振動はそれなりにあるので対策は必要かも。」
「燃費が良いし、何よりこの見た目が最高。所有欲をしっかり満たしてくれます。」
まとめ:CB650Rはどんな人におすすめ?
- 大型4気筒に乗りたいが、維持費(レギュラーガソリン)も抑えたい。
- 最新のEクラッチで「ずぼら運転」と「スポーツ走行」を両立したい。
- 派手すぎない、質感の高いネオレトロデザインが好き。

